カントの統制的理念と性善説システム

 内田先生、べらぼうに沁みます。イマニュエル・カントは『純粋理性批判』の中で「統制的理念 regulativ idee」という概念を提出しています。それは、内心そんなこと実現不可能であると市民みんなが合意していても、私たちの実践理性が訴えるままに思い切って掲げてしまうことで、私たちの社会をより良い方向に統制してくれる(と願うことができる)理念のことです。この概念なくしてカントの恒久平和論は語れません。この概念を現代的にパラフレーズして投影すれば、今日7月21日(日)付の東京新聞『時代を読む』で内田先生が重視している「性善説システム」になるのだと思います。いつもながら慧眼です。

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